福島サロン訪問報告 - 生活協同組合コープみえ

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福島サロン訪問報告

2024.09.12

 13年前の東日本大震災で福島県は、太平洋に面した「浜通り」地域が壊滅的な被害を受けました。さらに福島第一原発の事故により、放射性物質が拡がった地域の住民は町ごと避難しました。未だに帰宅困難な場所もあり、復興公営住宅を新しい住まいとされている方も少なくありません。

コープみえでは、ふれあいサロンにおける交流や、震災遺構・請戸小学校、大震災原子力災害伝承館の視察をとおして、震災の記憶を風化させず、その教訓を次世代に継承していく取り組みをすすめています。

2024年8月に、組合員と小学4年生のお子さんが、福島に向かいました。

原発のある大熊町、隣接する双葉町、浪江町はまだ帰還困難地域であり、津波で壊れた建物がそのまま放置されています。

「避難指示が継続している双葉町、大熊町を目にした時には自分の家に自由に出入りできないこと、放射線量の高いことに驚きました。家は草に覆われ、倒壊している建物もあり13年前のままの姿はとても悲しく胸が苦しくなりました。」

東日本大震災・原子力災害伝承館
双葉町にあるこの施設では、津波の力でつぶれたポストなど地震と津波による著しい被害の様子、原子力発電所で起こった事故の経過や被災者の声などを、多くの資料や動画で見ることができます。

震災遺構・請戸小学校と大平山
浪江町の請戸小学校は、津波の被害に遭った直後の、教室内の泥もそのままの状態で震災遺構として残されています。この小学校の児童・教職員は地震の後、約2km離れた大平山まで全員が走って逃げたことで、1人も犠牲者は出ませんでした。その大平山には、請戸地区で犠牲になった人々の慰霊碑があります。
「震災遺構・請戸小学校に行ってみると、教室がボロボロになっていたので、地震や津波はこわいと感じました。」(組合員のお子さんの感想より)

コミュタン福島
こちらは、福島県の施設で、福島の現状や放射線のこと、環境問題、再生可能エネルギーのことなどが、わかりやすく学べる施設です。

サロンでの交流
今回訪問したサロンは、安達太良山の麓、大玉村の村営団地の集会所にて開催されました。こちらには、富岡町から避難された方がくらしています。この日は6名の方が参加され、被災から13年の間に経験したことをお話しくださいました。「皆さん被災されてから色々な場所を点々とされ、体力的にも精神的にも本当に大変な月日を送られて今があるのだと感じました。見慣れた故郷の風景がどこか分からない程に移り変わり、もう帰れないと考えながら今の住まいで過ごしていらっしゃる姿は、訪れて初めて知ることでした。」(組合員の感想より)

組合員のお子さんが、思いを込めて描いた絵やけん玉を披露してくれて、サロンは和やかな空気に包まれました。

うつくしま福島に皆さんもぜひ
福島県では、帰宅困難地域の中に除染を充分に行って、人が住めるようになった特定復興再生拠点区域が設けられるなど、復興に向けて少しずつ前進しています。その一方で、廃炉のこと、ALPS処理水の風評被害のことや中間貯蔵施設にたまる汚染土の問題も抱えています。

「福島で食べた円盤餃子がおいしかった。お土産にした桃はとても甘かった。早く福島がもとに戻ってほしい」
(組合員のお子さんの感想より)

四季の景色が美しく、食べ物のおいしい福島を、みなさんも是非訪れてみてください。そして地震・津波・原発事故のことにも触れてみてください。

福島市 円盤餃子