三重南紀みかん
2023.11.19
三重県最南端の南紀(熊野市・御浜町・紀宝町)は熊野灘に面し、冬でもめったに雪が降ることのない温暖な土地です。豊かな気候と太陽の光を活かし、1年中柑橘類を出荷するみかんの一大産地です。
今回は1年で最も早く出荷が始まる「極早生温州みかん」を紹介します。
おいしくて安全なみかんづくり
「極早生みかん」と聞く と、皮は緑で、酸味の強いイメージがあるかもしれませんが、南紀で育てられた極早生みかんは、「糖度と酸味のバランスがとれ、甘くておいしい」と評価の高いみかんです。生産者のみなさんは、おいしさはもちろん、有機質肥料の活用や除草剤の低減、栽培履歴の記録など、安全・安心、環境へ配慮した生産に取り組んでいます。伊勢農業協同組合(以下JA伊勢)では、品種ごとに生産者部会を立ち上げ、よりおいしい果実を育てるため、生産者と JA 伊勢が一体となり、研究活動や学習会をおこなっています。
極早生みかん 甘みの理由
水分管理で甘みU P !
みかんは水を与えすぎると味がぼけてしまい、水が少ないと酸味が強くなる傾向があります。天候を見ながら水分を調整することが重要です。温暖多雨な南紀では、マルチシートをかぶせ、水分を吸収しすぎないようにし、甘みあるみかんをつくります。
摘果で形のよい実を
おいしく形のよいみかんをつくるのに必要なのが摘果作業。6月から8月にかけて、味がよく大きくなりそうな実を残す「あら摘果」、出荷に適したサイズになるように選別する「サイズ摘果」、キズやいたみのある実を取り除く「仕上げ摘果」と、3回の摘果をおこないます。生産者が適切に摘果できるよう、 JA 伊勢では技術講習会をおこなっています。
すべてのみかんをチェックしておいしいものを届けます
収種したみかんは最新の糖酸度センサーで、基準となる糖度と酸度になっているかを一つひとつチェツクします。基準をクリアしたみかんのみが出荷されます。
ヤシの葉からとれる植物性のワックスを使用することで、果実内の水分蒸発を防ぎ新鮮でみずみずしい味と外観を保ちます。チョコレートや錠剤の表面コーティングにも使用されています。
広報誌「ひだまり」2022年9月号