【LPAの会コラム】医療費控除、これで払い過ぎた税金が戻ります!
2023.11.15
医療費控除にはさまざまなしくみがあります。しっかり理解して税金の還付を受けましょう。
①所得がポイント
医療費控除は「医療費が10万円以上でないと受けられない」と思い込んでいませんか?実は所得によって異なります。
合計所得200万円以上
1年間の医療費ー保険金等で補填される金額ー10万円
合計所得200万円未満
1年間の医療費ー保険金等で補填される金額ー 合計所得の5%
(例)
サラリーマンの方(給与所得のみ)→年収約297万円以下
65歳以上の方(年金収入のみ)→年収310万円未満
上記の方は合計所得200万円未満ですので、合計所得の5%以上の金額が対象となります。
(例)65歳以上年金収入250万円のみの場合
250万円−110万円*=140万円 所得 *公的年金等控除額
140万円×5%=70,000円
7万円以上が対象
②生計一がポイント
医療費控除ができるのは、生計を一にしている配偶者や親族です。下記の場合も医療費をまとめて申告できます。
- 別居している学生
- 仕送りをしている別居の親
家族で複数人働いている場合は、かかった医療費を誰かにまとめて申告します。扶養関係は不問です。一般的には、一番所得が高い人で受けると有利と言われています。
③「予防に取り組む」がポイント
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は平成29年から始まった制度で疾病の予防に取り組んだ個人が受けられます。
医療用から転用された医薬品である「スイッチOTC医薬品」の購入合計金額が1万2千円を超えた場合、超えた金額が所得控除され、 最大8万8千円 まで控除されます。
予防の取り組み
- 市町村や健康保険組合などが実施する健康診断(人間ドック、各種健診など)
- インフルエンザワクチンの予防接種など
- 勤務先の定期健康診断(事業主検診)
- 特定健康診査(メタボ検診)、特定保健指導
- 市町村が実施するがん検診
上記の予防に取り組んだ際は証明を保管しておきましょう。
*健診や予防接種などの費用は控除対象外です。
セルフメディケーション税制のイメージ
ふだん、病院にかからずに市販薬で済ます方に向いているといえます。しかし、このしくみは医療費控除と併用できません。どちらが有利か考えてから申告しましょう。
所得が下がれば住民税も下がります。2023年も2月16日から確定申告が始まりますね。 実は 医療費控除などはいつでも還付申告できます。(時効5年)前年の源泉徴収票がお手元に届いたら、さっそく申請しましょう!